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TOPICS−新着情報
−光と色彩の風景−才村 啓展
この度、地元大阪で個展を開催する運びとなりました。
今回は、感動を受け現場で描いた地元風景や信州風景、またバラなどの静物画、
外国風景を発表します。これまでの集大成となる個展にしたいと思います。
ぜひこの機会にご高覧賜りますようご案内申し上げます。
才村 啓
会期  2020年9月2日(水)〜9月8日(火)
会場  阪神百貨店梅田梅田本店 9階 美術画廊
     
10:00〜20:00 (最終日は17:00閉場)
作家出席日(予定)  9/2(水)〜9/6(日) 11:00〜18:00 ※9/3(木)のみ13:00〜18:00

展覧会プレビュー 展覧会担当者に聞く 展覧会の見どころ
山田幸見 油彩展
才村 啓先生
山田幸見 油彩展
『麗春の白馬』油彩F8号
山田幸見 油彩展
『西洋の光』油彩M10号
山田幸見 油彩展
『バラ』油彩F4号
「現在(8月7日現在)は2日に一度の割合で絵画の指導に当たっています。コロナの影響はありましたが、国や市の助成金を申請して何とか持ちこたえました。また、地元(大阪)や、奈良県に車でスケッチしに出掛けたりもしました。今回の個展においても、その時の写生画も出品いたします」

 阪神百貨店梅田本店での個展開催は約2年ぶりとなる才村啓先生。絵画教室をひらきながら、自身の作品を個展などで販売する、リアルな画家のコロナ禍での暮しは、「国や市の助成金を申請して何とか持ちこたえ」たというおことば通りに、大変状況なのだなと想像しました。それでも画家は、新たな創造活動をすべく、休むことなく取材に駆け回っているご様子です。
個展の開催される9月は、例年でしたら所属されていらっしゃる一水会の展示が、東京・上野の東京都美術館で開催されるはずでしたが、こちらもコロナ禍で中止になり、今回の個展に対する思いは強いものがあるのではないでしょうか。

自然が師

才村先生は1975年大阪府生まれ。他の画家と同じように、小さい頃から絵を描くことを楽しんで育っていきました。「幼少の頃、家の近くに絵画教室があり、そこに通い始めたのが絵との最初の出合いです。画風が抽象的表現の先生で、のびのびと描かせてもらい絵を描く楽しさを知りました。先生がいろんなコンクールに出品してくださり、そのなかには賞を受賞して新聞の記事に載せてもらったこともあります。振り返ってみると、そうして(絵に対する)自信を深めたように思います。その頃から、漠然と画家になる夢を抱くようになりました」。

後からならいくらでも言うことができますが、この「抽象的表現」の画風の先生が最初の師とするならば、現在の才村先生の画風は幼少の頃からなのではないかと思ってしまいます。日本の油彩表現では具象の細密表現が全盛の現在にあって、才村先生の表現は、個性的でありながらも郷愁を滲ませているのは、そこにルーツがあったのかと思ってしまいます。
ところが、然にあらず、才村先生もリアリズム(表現)を通っていたとのこと。

 「大学生(大阪芸術大学)の頃は古典絵画に憧れ、画材の研究やオールドマスター(18世紀以前のヨーロッパの著名な画家や優れた作品群のこと。レオナルドやカラヴァッジョ、ルーベンス、レンブラントにフェルメールなど)の模写に明け暮れました。そうしているうちに細密な表現となりましたが、いま思えば、古典的な絵を追求したというより、写真を拡大表現したフォトリアリズムをやっていたように思います。
そんな中、大学四回生の時、大阪心斎橋にあった絵画クラブにて池田清明先生(大学の先輩、一水会運営委員、日展特別会員)との出会いが私の画風を一変することになりました。写真を見て描くのではなく実際にモノを見て描く難しさ、楽しさが私を虜にしました。そうして、先生に師事させて頂き、一水会に出品するようになりました」

 この当時(2000年)、池田先生はまだ母校・大阪芸術大学での指導をされる前(2007年〜10年 客員准教授、2016年〜18年 教授)ということを鑑みると、この出会いは画家・才村啓が誕生するための必然の出会いだったのかもしれません。
翌2001年、大学を卒業した年から一水会に出品し、2008年には新人賞、14年には損保ジャパン日本興亜美術財団賞を受賞と、会の中堅以下のなかでも着実に成長を続けています。2005年の入選から出品されている日展でも、16年に特選を受賞し、活躍が大いに期待されています。

 「大学を卒業し、池田先生より『自然を師とするようにしなさい。』とのお言葉を頂き、以前スケッチに出かけて感動を受けた滋賀県今津にアパートを借り、写生に明け暮れました。
そうした中、4年の月日が流れ、今津でも目立つ存在になり居心地が悪くなりました。しかし自然を前に制作する情熱は冷めず、当時多くの画家がスケッチに訪れる信州(長野県大町)に移住することを決めました(現在は帰阪)。大作も現地で描き、一水会でも評価をして頂けるようになりました。
先にも述べましたが、師との出会い、ご指導を仰ぐ中で一水会に出品するようになったのは自然の流れだったと思います。現場制作を基本とする柔らかい表現を評価する写実団体である一水会では、これまで途切れることなく100号を出品してきました。その中で多くのことを学びました」



現場の臨場感、空気感を感じてもらえる作品に

 才村先生の表現は、絵画でなければ表せないといってもよい描写です。以前の取材では「現場の臨場感や柔らかい雰囲気を大切にして、(中略)じっくり見ていて見飽きない絵ができれば」(「一枚の繪」2017年3月号より)とおっしゃっています。印象派的な表現でキャンバスを彩っている才村作品は、印象派の作品と同じように、移ろう光の変化を捉えようと、絵筆はさながら光のプリズムの軌跡を描いたかのようで、明るい色彩を味わわせてくれます。

 10年くらい前から行っている海外取材(主にフランスやイタリアなどのヨーロッパ)による精進の成果もまた、その国々、土地土地によってさまざまに異なる自然の光を情感たっぷりに描き上げ、色彩の余情の深まりを画面から感じさせてくれます。「タッチは意識的に単純化して、全体として空気感が出るように心がけています。絵の近くでは簡略化したタッチを見ていただき、少し離れて見て空気感を感じていただきたいと思います。」(「一枚の繪」2019年5月号より)、という才村先生。風景作品には現場の風も感じられるかもしれません。

 今回の梅田本店での個展でも、これまでも描き続け高めてきた信州をはじめとした国内風景から海外の風景、花などの静物作品など、才村作品のエッセンスを観ることができそうです。コロナ禍の今だからこそ、絵で癒やされたい。その思いに、才村先生の作品がやさしく応えてくれることでしょう。




 

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