一枚の繪 8月号
Aug. 2009 Vol.456 |
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「休息」デッサン 55.0x37.5cm |
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「横むきの裸婦」デッサン 55.0x37.5cm |
三年ほど前から、月に二、三回のペースで裸婦のデッサンを続けています。描くのは短時間でのクロッキーや固定ポーズ、セミヌードなどさまざま。ポーズはモデルにおまかせしています。その方が、あれこれと要求するよりも、自然なポーズになるからです。
裸婦デッサンが人物画の基本だから描くといえばその通りですが、絵の勉強のためなどと気負うと描くのがつまらなくなってしまいます。だから、描くときにいつも気をつけているのは、肩の力を抜くことです。
モデルを前にすると、描きたいと思わせるもの、直感的に感性に響いてくるものが必ずあります。それはフォルムや質感だったり、光の調子や色調だったり、言葉には表現できない感覚的なものだったり。それらを目の前の紙になんとか定着
させようと必死に試みるのですが、結果的にはいつももどかしさが残ってしまいます。でも、それが当たり前だからこそ、次も描こうという気になるのです。肩の力を抜いているからこそ、その意気込みが生まれるのかもしれません。 |
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