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田園調布の大沢先生のお宅には、何度かガラス絵をいただきに伺った。
ある時、アトリエの隅っこに立てかけてあった、白地に左角だけ赤く描かれた水彩が欲しくて譲っていただいた。「こんな絵売れないよ」と先生はにこにこしながら仰言っしゃったが、すぐ売れた。画廊にかけておいたのだから文句は言えないが、今でも惜しいと思っている。「おれはファンアイクみたいに欠けるんだ」とも言ってらした。それは去年の練馬区立美術館の生誕100年展でよくわかった。何でも描けるけど、どんどんそぎ落として行った、そんな水彩とモノタイプです。 |
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