満月の夜には、作物の代謝もよくなるという。一説には、肥料も効きすぎるので、少しひかえめにするのだとか。フレスコ画の制作にもこうした自然の神秘が宿っているように思う。生きた塗り壁と呼吸を合わせ、外気や湿度を気遣いながら華々や木々を平面に化身させる。そんなデリケートなやりとりの最適期を温日(おんじつ)と呼びたい。私の無骨なタッチをいつも助けてくれる温かい日と。
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