小山さんは1975年東京生まれ。高校生の時に美術部に入部するまでは、特に絵画教室や部活動で制作をするとういことはなかったそうだが、小さい時から絵が好きで、手を休めることなく描き続けていた。美術大学への進学を志望したのは「学科の試験がない」と聞いたからと、冗談めかしていう。そして、東京藝術大学美術学部デザイン科に入学。師・大藪雅孝(現・東京藝術大学名誉教授)さんとの出会いで、小山さんの作品制作への心眼が開かれた。
Q:大藪先生の影響は?
A:そうですね、大きいと思います。特に技法的なところで、一度描いたものを消すという考え方。いちから十まで描いて完成、というのではなく、そこから一回消すという考え方は、今でも僕の制作過程のなかでも重要なところです。画面の中のある部分を消すことで、(作品にとって)本当に必要なところをちょっとずつ描き起こすことができたり、それとは逆に、(作品のポイントとなるところを)ちょっと隠して、立ち止まってじっくり観てくれる人だけが分かるような描き方をするといったところなど、先生のご指導をあおいでいて目から鱗が落ちる思いでした。これが表現なんだ、絵を通して人にものを伝える方法なんだなと思いました。僕自身の作品もどちらかというと、消すことを前提に描いているようなところがあって、描き込んだものを一度消す。消したなかからまた描き起こすということを、描写以外にも画材を駆使してやっているんです。 |